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既成杭について

2021.08.29 (日)

建造物の基礎に使う杭には、 建築現場で鉄筋を挿入してコンクリートを打ち固めてつくる「現場造成杭工法」と、工場でつくられた杭を挿入する「既成杭工法」の2つの工法があります。既成杭工法は、比較的小規模な工事に使うことがあり、一般住宅の建築の際でも地盤の状態によっては使うこともあります。
今回は、杭基礎のもう一つである「既成杭工法」についてご紹介します。

■既成杭工法とは
既成杭工法は、あらかじめ工場で製作された杭を、建築現場で掘られた穴に打ちこむ工法です。すでにできあがっている杭を打ち込むだけなので、施工は比較的容易で、現在もっとも多く採用されている工法です。
既製杭を利用するポイントとしては、大きな支持力を必要としないことや、杭長が大きすぎないことがあげられます。目安としては、20m程度なら既製杭で対応し、30mを超える場合は現場造成杭を検討していくことになります。
また、既製杭工法は現場造成杭工法と同様に、施工方法を細かく分類するとさまざまな種類があります。
まず、分類する一つ目の条件は材料です。
既成杭は、主に「鋼(はがね)」と「コンクリート」の2種類の材料でつくられます。

<鋼製の杭の特徴>
鋼杭は高い強度と靭性があり、コンクリートのように曲げやひび割れが起きない分、信頼性が高く、また鋼の加工性を活かし先端形状を軸部より大きくすることで、先端支持力を増加させた杭もあります。
一方、鋼製のデメリットとしては腐食があげられます。鋼は水で錆びるおそれがあるため、鋼で杭をつくる際は腐食部を見こんでつくられます。さらに、鋼管はつぎて部分に溶接や補強なども必要とされます。

<コンクリート製の杭の特徴>
コンクリート杭は、柱や梁に比べて圧縮強度の高いコンクリートを用い、さらにひび割れを抑制するため、プレストレストを導入します。
コンクリートは性質上、鋼杭に比べて強度や変形性面では鋼杭に劣るものの、コンクリート外周部に鋼管を巻いたSC杭や、高強度鉄筋を導入したPRC杭などの種類もあります。

■さまざまな既成杭による工法
既成杭にはさまざまな工法がありますが、「回転圧入工法」「打撃工法」「埋め込み工法」に大きく分類されます。

1.回転圧入工法
杭を回転させることで地中に打設する工法で、羽根付き鋼管杭を施工するときの代表的な工法です。羽根付き鋼管杭は杭先端に羽根が付いていて、この羽根が杭径より大きいため、より高い支持力が期待できます。また、杭を回転させながら打設するので、残土もほとんどなく、環境に優しい工法でもあります。

2.打撃工法
既製杭の頭部をハンマーによって打撃し、杭を所定の深さまで貫入させる工法で、「打ち込み杭工法」ともよばれています。
強度が高いため、杭径を小さくできるなどメリットも多く、あらかじめボーリングする必要もないのが特徴です。一方、打設するときは騒音や振動が発生するため、近年では周辺環境への影響が大きいことから採用されることはほとんどありません。

3.埋め込み工法
所定の深度まで地盤を掘削して、既成杭を建込み・挿入する工法で、既成杭の施工方法としてもっとも主流の工法となっています。
埋め込み杭工法には、さらに2つの方法があります。

<プレボーリング杭工法>
プレボーリング杭工法は比較的新しい工法ですが、もっとも実績が多い杭の施工方法です。杭を打設するポイントをあらかじめ掘り、そこに杭を打設します。すでに孔が彫られているため、杭を打設するとき騒音が発生せず、近隣周辺にも配慮された工法です。

<中堀杭工法>
中堀杭工法は、土を掘りながら杭を打設する方法です。中堀杭工法に用いる杭は、中が空洞になっているため、この杭を打設しながら排土をして掘り進めることが可能です。
残土が少なく環境にも優しい工法である一方、土中に岩がある場合、杭の空洞部分から掘り出すことができなくなることがあります。また地盤の強度が高い場合、うまく掘り進めないことがあります。

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