回転圧入鋼管杭の有効利用
2023.07.11 (火)
鋼管杭方式地中熱利用システムには回転圧入鋼管杭(鋼管基杭礎)が用いられます。回転圧入鋼管杭とはどんな構造なのか、また利用するメリットとはなんなのかみてみましょう。
回転圧入鋼管杭の構造
回転圧入鋼管杭とは鋼管の先端にらせん状になった掘削羽根を溶接して取り付けた鋼管杭のことです。全旋回機などの重機の回転によって生じる、先端羽根の推進力を利用して、上載荷重なしに地盤に埋め込むことが可能です。
通常の打ち杭工法を行うと、掘った土が産業廃棄物として残ってしまいます。この鋼管回転圧入工法は産業廃棄物を発生させない工法として、手鉄鋼メーカ各社が開発しました。
回転圧入鋼管杭を基礎杭として使うメリット
回転圧入鋼管杭を基礎杭に利用することで以下のメリットが考えられます。
・掘削した際に排泥が発生しないので環境にやさしい
・騒音や振動が発生せず、狭住宅地でも周囲に配慮できる
・周辺地盤への影響が少なく、採用する場所をあまり選ばない
・重機に併設されたオーガースクリューによって、重機の自重に高い圧入力を得ることができ、確実な施工が可能になる
・大型重機を使わないのでプラント設置などの必要がなく、通常の打ち杭工法よりも工期が短い
・貫入後は杭内に中空空間ができ、採放熱管を挿入することで地中と熱交換することが可能
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