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表層改良工事とは

2020.03.18 (水)

地盤には、「軟弱地盤」「良好地盤」「強固地盤」とよばれる層があります。
地盤調査をした結果、もしあなたの土地になんらかの問題がわかった場合、その問題に応じた対処(地盤改良)をおこなう必要がでてきます。
実は地盤改良といってもいろいろあり、「表層改良(ひょうそうかいりょう)工事」「柱状改良(ちゅうじょうかいりょう)工事」「鋼管杭(こうかんぐい)工事」の3つの工法がありますが、土質の状態や地盤の強度、地盤の層の状態など、さまざまな状況を分析した上で、その土地にとって最適の工法を選択していくことになります。
今回は、そのうちの一つ「表層改良工事」についてご紹介します。

■表層改良工事とは
表層改良工事とは、軟弱な地盤の土とセメント系固化材(地盤改良用セメント)をまぜた上で、重機によって転圧して固めることで地盤の耐力を増し、不同沈下を防ぐ工法です。この工事をおこなうことで、硬くてバランスの良い人工の地盤をつくり、建物の荷重を分散・低減することができます。

<工事のながれ>
1.施工機ならびに部材搬入
2.地縄確認
3.セメント系固化材搬入
4.表層改良工事ならびに層転圧
5.施工機ならびに部材搬出

<地盤改良できる範囲>
表層改良工事の場合、地表面から約2mまでが範囲になっています。

<作業スペースの有無>
・ 狭小現場でも対応できる。
・ 周囲状況により飛散防止用固化材タイプもある。
・ 特殊な施工機がいらない工法のため、現場の規模にかかわらず工事をおこなうことができる。

<どんな土地に向いている工法か>
・ 地盤の表層部分が軟弱な土地
・ 切土や盛土にまたがっている地盤の土地
・ 土質の硬さにちがいがみられる地盤の土地

<工事日数>
工事にかかる日数は、土地の広さにもよりますが、住宅ですと一般的に1~3日程度かかります。

■表層改良工事のメリット・デメリットについて
<メリット>
・ 改良する地盤が小さく、軟弱した地盤が浅い場合(2m以内)であれば、早く工事ができる上に強度も維持できる。
・ 工事費用は、人件費、機械費、材料費(セメントのみ)で、コストも比較的安く済む。
・ 工事期間が短く済む。

<デメリット>
・ 施工業者のスキルによってうまくセメントが混ざらず、地盤の強度にムラができると不同沈下の原因になるおそれがある。
・ 改良できる深さが浅く、2mぐらいまでしかできない。
・ セメントを混ぜるため、有害物質である六価クロムが発生する可能性がある。

■地盤改良工事費用はあらかじめ予算に組みこんでおくと安心
新たに住宅を建設するときには、どうしても家のことばかりに目が向いてしまいがちですが、その家を支える地盤はとても重要です。
また、いざ地盤調査をしたら、「絶対に大丈夫だと思っていたのに、地盤工事が必要だとわかった」「必要な工法が、自分たちの予想以上の予算がかかることがわかった」といったことにならないためにも、どの地盤改良工法でもいいように予算は最大幅で考えておいた方が安心できるでしょう。

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